会報「轍迹」について

 南山会は、昭和59年の設立以来、年1回「南山会会報」として会報を刊行して参りました。南山会は、医療技術短期大学部以前の各学科同窓会がまとまって誕生したため、同窓会の設立当時の会報はカタい内容も多かったかと思います。

 母校は医療技術短期大学部を経て、近年4年制教育の保健学科となりました。

 同窓会の存在意義についてもまた時代に合わせて考えなくてはならないと思われます。同窓会は看護学・放射線技術科学・検査技術科学の各分野が互いに協力しあえる場であり、先輩、後輩の繋がりを造る大切な場でもあります。

 従って、準会員である学生、卒業間もない若い会員からも積極的な同窓会活動への参加、理解と協力をいただくために、より読みやすい会報が必要と考え内容を一新しました。さらに愛称も募集し、この春発行した22号から会報名を「轍迹(てつせき)」といたしました。

 「轍迹」とは会報にも載せていますが、車のわだちの跡、馬の足跡、物事のあとかたの意で多くの先輩たちが通った跡、母校の歩み、のような意味合いをもったものです。先輩から後輩へ受け継いでいくという意味からも適切と考えられます。

 大学に入学した学生は上級生をみて成長し、先輩の後を追って社会へと巣立っていきます。社会へ出た後も、諸先輩から技術や知識を継承して高度な医療者、研究者へと成長していくことでしょう。また、先輩も後輩の手本となるべく自らを磨いてきます。

 しかし、轍のあとは、雨や風にさらされて時に通りにくくなってしまいます。私たちが歩む「轍迹」も同じです。必ずしも容易な道ではありません。そのときは、道を行く後輩が、大学で学んだ最新の技術や知識を以って、新たな道を創造し新たな「轍迹」を造っていくことでしょう。

 このような繋がりは同窓会の責務として大切に護っていくべきであります。「轍迹」を会報名に掲げ、先輩、後輩の繋がりを大切にしていきたいと考えています。

(全学同窓会広報紙「雪華」第6-2号に掲載)

新潟大学医学部保健学科同窓会「南山会」
(旧新潟大学医療技術短期大学部同窓会)

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